第2回
ピン構造・ラーメン構造・壁構造
1.ピン構造(ブレース構造)
部材と部材がピンで接合された構造で、鉄骨でできた昔の工場や橋を思い浮かべると分かりやすいと思います。数多くの鉄骨が組み合わさって造られています。実は木造の在来工法はピン構造なのです。数多くの柱と梁をほぞで接合しています。しかし、ピン構造はそのままではグラグラ動いてしまいます。グラグラ動かないように、斜めの部材(筋交い・ブレース)を入れて動かないようにしてあるのです。
2.ラーメン構造
柱と梁など、部材と部材を剛接合(ピン接合のようにグラグラしない接合)してできた骨組み構造で、代表的なのが鉄筋コンクリート造です。鉄筋コンクリート造の柱と梁はコンクリートですから簡単にグラグラ動くことはありません。動くときは壊れるときしかありません。壊れるということは、その箇所の鉄筋コンクリートのもつ耐力以上の力が加わったためです。ピン構造のように斜めの筋交いが入らないので自由な空間構成が可能です。
3.壁構造
壁体や床板など平面的な部材で構成された構造方式。柱型や梁型がないのでムダになるスペースが出にくい反面、柱と梁で構成されるラーメン構造のような開放感は少ないのが特徴的です。鉄骨造の壁構造を除けば、木造、鉄筋コンクリート造、共に比較的、駆体コストが低めで一般的によく使われている構造形式です。特に2~3階建ての低層の建物に多く、コンクリート造では、5階以下、高さ20m以下という高さ制限があります。木造では2×4(ツーバイフォー)と呼ばれる北アメリカで広く使われていた工法が代表例で、わが国でも広く普及されています。