第31回
羽目をはずす

この羽目ってなんだかご存知ですか?実はこれも建築用語なのです。
羽目とは家の壁などに、板を重ねることなくきれいに平らに並べて張る張り方を言い、
古い住宅の壁に良く見られ、今でも羽目板張りの工法として使われています。
この羽目板、本来隙間なく張られていなくてはならないのに、板が外れてしまったり壊れていると、建物の中に水が入り腐ってしまったり見た目も悪くなります。こうした格好悪くなった様を人間にも当てはめ「羽目をはずす」という言い方になったといわれています。
また、「罠にはめられる」とか「~する羽目になった」というのも同じく
この「羽目」からくる言葉といわれています。しっかりとはまり、なかなか外れないことから、容易に抜け出せなくなった状況を表すようになったようです。
この羽目板張り、今ではなかなか見られなくなりましたが、年配の方なら学校の校舎の壁などを思い出されるかもしれません。塗り壁より耐久性に優れ、子供たちが走り回る学校にはうってつけの工法だったようです。

ところ変われば…ですが、どちらも現代では想像つかないできない語源であることは共通していますね。