第49回
バンザイ!

木材の成長輪のうち、成長期の初めに形成される部分を「早材」。後期に形成される部分を「晩材」と呼びます。「早材」は形成層の活動が活発な春に形成されるため「春材」(シュンザイ)と呼ばれ、密度が低く色が薄くなります。逆に夏から秋にかけて形成される「晩材」は「夏材」(カザイ)「秋材」(シュウザイ)と呼ばれ密度が高いため色は濃くなります。
松や杉などの樹木はこの二つの差が明瞭で差が顕著ですが、こういった木材は「環孔材」と呼ばれています。
資材として使う場合、比重が大きいほど強い傾向にあるといわれています。つまり、密度の濃い「晩材」の部分の方が製材としては強いということ。年輪のうち、「晩材」の部分は幅が一定していることが多いので、年輪幅が太いほど「早材」の部分が多いということになります。

木材には、樹木の種類のほかにも、部所ごとに「心材」「辺材」「木口」と名称もあり、それぞれに特徴があるためどこにどのようなものを使うか、また裁断面によっても「板目」と「柾目」とがありデザイン的にも大きく影響します。
建築に使われる材料の中でも最も奥の深い物の一つですね。