第18回
笑う

今回は誰でもその様子が目に浮かぶ“笑う”という用語について。
まさに「笑う門かどには福きたる」にいうような、文字通り“笑う”なのですが、
建築でいう“笑う”って一体どんなことをいうのでしょうか?

まさにそこが“笑って”いるのです。
下地は表面の仕上げに影響してくる大事な部分なので、当然平らで均一であることが基本です。
ここが笑っているとは、つまり不均一、平らでない、反対にいえば、でこぼこした状態ともいえます。
実際には塗料仕上げなどで下塗りと上塗りの塗料のなじみが悪く、凹面が生じる時などに使います。
建築的にその使い方はマイナスの意味になるのですが、“壁が笑っている”なんて、その素直な発想!まさに簡単でわかりやすく、おもしろいと思いませんか。
他にも似たような用語があります。人の様子が目にうかぶような擬人的な用語で、「拝む」や「勝手」などがそうです。想像してみるとある程度検討がつくかもしれませんね。
拝むは、直立しているべきものが、傾いていること。
勝手は出すぎている、つまり一定寸法より過剰な状態(過ぎている)のことをいいます。