第32回
こぶだし

建築用語の「こぶだし」は、“瘤出し”と書き、石材の仕上げ方法を言います。簡単にいいますと、字のごとく、こぶが出ているちょっと粗めの凹凸感のある仕上げです。
専門的に説明しますと、石材の仕上げに、“割り肌”仕上げというのがあります。これは、原石をセリ矢などで割って作る自然の仕上げ。この割り肌仕上げの面の周囲四辺をコヤスケ(ノミに似たもの)などで払い落として仕上げたものが、“瘤出し”仕上げなのです。
硬石や軟石の仕上げに使われていて、御影石など床面に使われる石に施されることが多いようです。もちろん壁に使うこともでき、その場合、重厚感があり、迫力のある空間になります。
