第33回
大黒柱とお父さん

大黒柱の語源の一つに、朝堂院の正殿「大極殿(だいこくでん・だいごくでん)」の柱を「大極殿柱」ということから「大極柱」=「大黒柱」とする説があります。もう一つには、室町時代から恵比寿大黒の大黒様は富を司る神として祭られていたため、大黒天にちなみ「大黒柱」になったとする説があります。

『お父さん』の威厳が縮小してきたのと同様、立派な大黒柱のある家はあまり見かけなくなってきた昨今ですが、大きな横架材を四方で受け止め、家を支えながらもどっしりと構えるその姿は、見るからに安心感があります。樹種は、ケヤキ、栗、松、杉、桧など。ケヤキや栗などの広葉樹は十分に乾いたものでないと、柱にしてから狂いやねじれ(回転)が生じ、それによって家全体がねじれてしまうほど強い力があります。
丈夫で安定した家を作り、その存在がそこに住む家族に安心感を与える…大黒柱があると、やっぱり頼もしいですよね。